新型インフルエンザ(ブタ由来インフルエンザA/H1N1)が世界中で感染を広げつつある。
5月4日現在の感染者数は世界で915人。日々増加している。
今回、このブタインフルエンザの話題で私なりに色々と分からないことが出てきたのでまとめてみた。
以下の内容の多くは「国立感染症研究所感染情報センター(IDSC)」のホームページから調べたものである。
世界保健機関(WHO)による現在のパンデミックインフルエンザ警報フェーズは5を設定しているが、「パンデミック(Pandemic)」の意味の内容は如何に・・・。
地理的に広い範囲の世界的流行および、非常に多くの数の感染者や患者を発生する流行を意味するもので、インフルエンザ・パンデミックは、「新型インフルエンザウイルスがヒトの世界で広範かつ急速に、ヒトからヒトへと感染して広がり、世界的に大流行している状態」となっている。
実際には、フェーズ6をもって、パンデミックということになる。またこのときに分離されるウイルスを、「Pandemic strain」と呼ぶ。また最近は、「パンデミック」と言う言葉が、「インフルエンザ・パンデミック」と同じ意味に使用されることもある。
WHOが世界にパンデミックの脅威の深刻さおよび事前に対策計画を準備する活動を実施する必要について知らせるための制度として、パンデミック警戒レベルとして6つのフェーズを用いている。このパンデミックインフルエンザ警報フェーズの一覧も掲載されていたので見てみると下記の内容となっている。

このフェーズというものは、世界的な視点でのものであり、個別の国に対してのものではない。ただ、各国がどの様な対策を取るべきかの包括的公衆衛生学的目標としては各フェーズ毎に書かれている。
なお、フェーズの指定はWHOの事務局長が行うので、現在の事務局長であるマーガレット・チャン氏が度々テレビに良く出てくる。
では、日本としてのパンデミックプランはどの様になっているのだろうか。先ずは歴史から見てみる。
■1997年5月 :国としての新型インフルエンザ対策検討会が設置さる。
■1997年10月:具体的な報告書を発表
■2003年10月:厚生労働省新型インフルエンザ対策検討小委員会が設置
■2004年8月 :1997年の報告書を改訂する形で、新型インフルエンザ対策報告書をまとめる。このときには、米国疾病予防対策センター(CDC)が開発したFluAidを使用して、全人口の25%が罹患すると想定した場合の医療機関を受診する患者数、入院数、死亡者数を推計し、その医療需要に対応できる医療供給体制の検討を行った。また、抗インフルエンザウイルス薬について、それらの特徴や国内流通状況を検討し、患者数の推計値を元に、備蓄目標を官民併せて2500万人分が必要としている。
■2005年10月:厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部を設置し、同日鳥インフルエンザ等に関する関係省庁対策会議を開催
■2005年11月:第二回の会合を開くとともに、新型インフルエンザ対策行動計画を公表。本計画では、サーベイランス、疫学調査、診断・治療、院内感染対策、患者移送、検疫、そして検査室診断のガイドラインのドラフトが添付され、包括的な国としての対応体制も明確に記述され、厚生労働省新型インフルエンザ対策推進本部の下に、新型インフルエンザ専門家会議を設置し、今後も議論を進めていくことが決定
■2006年9月 :これまでの計画の評価のため、省庁間演習が行われた。
現在は、これらの結果をもとに、これまでの計画を見直すとともに、パンデミックフェーズ6に向けての検討が行われている。
現段階では、可能な限り早期に検知して、直ちにワクチンの開発に着手し、あらゆる手段を講じてそれが使用できる様になるまでの間の感染拡大を最小限にとどめる以外に方法はないとされている。
「新型インフルエンザ対策行動計画」が策定されているものの、その内容には我々の対応がどうなるのかについての詳細については規定されていない。
医療機関へ搬送されて以降は、また医療機関なりの行動計画に委ねられているような感じの文体になっている。
ただ、包括的公衆衛生的目標は下記の内容で書かれている。
■フェーズ1
ヒトに感染する可能性がある亜型インフルエンザは存在していないが、将来の国内におけるインフルエンザパンデミックに対する対策を強化する。
■フェーズ2
動物においてヒトに感染する可能性が高い亜型インフルエンザが存在するため、ヒトへの感染伝播のリスクを減少させる対策を講じる。また、そのような感染伝播が発生した際には、迅速に検知し、報告する体制を整備する。
■フェーズ3
ヒトに対する感染が発生しているため、新しい亜型のウイルスの迅速な同定と、追加症例の早期検知、報告、対応を確実に実施する。
■フェーズ4
ワクチン開発を含めた、準備した事前対策を導入する時間を稼ぐため、新型ウイルスを限られた発生地域内に封じ込めを行う。あるいは、拡散を遅らせる。
■フェーズ5
可能であるならパンデミックを回避し、パンデミック対応策を実施する時間を稼ぐため、新型ウイルスの封じ込めを行う。あるいは、拡散を遅らせるための努力を最大限行う。
■フェーズ6
社会機能を維持させるため、パンデミックの影響(被害)を最小限に抑える。小康状態の間に、次の大流行(第2波)に向けて、これまでの対策の評価、見直し等を行う。
感染症の流行は、国民の生命は基より、経済活動や政治にも及ぶ事項であるため具体的にどう対応していかなければならないのかは、かなり難しそうである。専門家といえども未知の世界だ。
流行の度合いや毒性の高さは未だはっきりしていない。
しかし、相手は今まで人間を散々苦しめてきたウイルスである。
とてつもない世代交代の早さでどの様に変質していくのかは全くの未知である。
ウイルスとの戦いは永遠に続く。
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