Tillandsia栽培
一般にエアープランツとして園芸店やホームセンターで売られているパイナップル科の植物であるTillandsia(ティランジア)の栽培を開始したのは2005年の冬である。約2年と半年が経過した。主な生長記録はブログ「不思議な植物Tillandsia ~Air plants~」で紹介させてもらっている。
その間、3種ほど蒸れてしまい枯らしてしまった。しかし、現在33種の栽培を問題なくこなしてきたことに比べれば大成功といえる。
他の植物との大きな違いは、根ではなく葉から水分を吸収するので、基本的に土はいらない。吊すか、生えてきた根を何かに着生させる。そんな不思議な植物である。
この2年半の間に、自分なりにTillandsia栽培について発見したことがあるので、そんなことを書いてみたい。
まずは生長についてだ。季節ごとに生長具合ははっきりしている。
春は、気温の上昇と、日光の強さが増すとともに一気に生長速度が増し、花を咲かせる時期でもある。水を与えれば与えるほどぐんぐん生長する。ただ、じめじめした天候時の水やりは禁物である。特に梅雨時期は要注意である。種類にもよるが、もともと乾燥した環境で育つ植物なので、日本の梅雨には適していないのである。特に急激に暑くなる日の水やりは控えた方がよい。
夏は、特に水やりには気を付けなければならない。関東地方の夏は元々湿気が多い上、気温もかなり高温になる。夏だからといって昼間に水をやるとどうなるか。水がなかなか乾かない上、高温にさらされればひとたまりもない。要するに植物自体が煮えてしまうのである。生煮えと言った方がいいのか。そうなるともう復活は無理である。完全に枯死してしまう。水やりの後は日陰で風通しを良くし、乾かすようにしなければならない。
秋は、空気も乾燥してくるので、どんどん水やりをしても平気である。春と同様、この時期は生長に適した環境である。
冬は、気温の低下とともに生長がほとんど止まってしまう。ただし、暖房を効かせて水やりを十分にしてやればその限りではない。しかし、暖房費が掛かってしまうので、その辺は経済状態と相談である。
花を咲かせる時期は種類によって様々であるが、ほとんどが春である。やはり、環境的にきつくなる冬や夏の開花は種類が限定されるようだ。
花の時期は、種類ごとの自生する標高範囲を調べてみるとある程度予測できる。低い標高で自生している種は高温期で、高い標高で自生している種は比較的低温期に花が咲くということだ。
最後に花が咲いた後はどうなるか。
ほとんどの種は、花が咲いた後、葉の隙間から子株が数株芽吹く。それがどんどん生長すると立派な群生株となる。子株は、種類にもよるが生長が早いものだと一年後には花を付ける。通常は数年を要する。
子株を花期まで育てられれば、ほとんど失敗の心配はない。それだけマスターしたということになる。特にイオナンタは毎年倍々で群生を繰り返し、購入してから3倍にも増えたくらいである。
Tillandsiaの栽培は、種類によって様々である。一般にいわれているように「空気中から水分を吸収するので放っておいても大丈夫」などということは絶対にない。簡単なようで実は堅実に育てようと思ったらなかなか難しいのだ。
まずは、購入した種がどのような環境で自生しているのかを知ることから始まるといっても過言ではない。その基準となるデータが充実しているサイトがあるので紹介しておく。
パイナップル科植物を筆頭に、変わった植物を取り扱う通信販売サイト「PINEAPPLE NETWORK」である。
このサイトにはティランジア原産地別簡易ガイドラインが記載されている。理想的な温度環境やコメントが記載されているので、ある程度の栽培環境の予測が出来る。これからTillandsiaの栽培を始めようとする人たちにはとても参考になるはずである。
実は、私が持っているTillandsiaのほとんどは、ここの通販で購入したものである。温室は千葉県の鴨川にあり、そこから全国に発送されているらしい。欲しい種が品切れの場合は、外国まで問い合わせてもらえる。
もっとTillandsiaを詳しく知りたい人には書籍をお薦めする。Tillandsiaに関しての唯一の専門書的書籍である。わざわざ南米から旅をしてきた植物たちをどうか上手に育ててもらいたいものです。
書籍名:ティランジアハンドブック改訂版(1998年2月26日発行)
著者:清水秀男・滝沢弘之
発行:日本カクタス企画社 代表 佐藤 勉
発売所:株式会社誠文堂新光社
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